分割キーボードにトラックボールまで付いた製品は、たいてい形が複雑で攻撃的です。ところがこれは、白い板が2枚あってキーがきれいに並び、右手の親指の位置にトラックボールがすっと収まっているんですよね。日本の個人制作者がBOOTHで少量販売しているキットなのですが、見た目があまりにも端正で、しばらく見入ってしまいました。
📊 クイック情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| ブランド | e24. (日本の個人制作者、BOOTHで販売) |
| 価格 | ¥30,000(本体キット基準、部品・送料は別途) |
| 構成 | 左右の本体セット。基板・トラックボールセンサー(PMW3610)・ケース・電池ボックスは組み立て・はんだ付け済み |
| スペック | 左右合計50キー、片側100×144mm、本体の厚さ10mm、Choc v2・MX互換のホットスワップ |
| 主な機能 | 右手のトラックボール、単4電池駆動、ワイヤレス、ZMKファームウェアでキーマップを自由に編集 |
| ひとこと評価 | ⭐⭐⭐⭐☆ 分割+トラックボールの組み合わせをここまで端正に仕上げているのが面白いです |
✨ 3行まとめ
- 👍 最大の長所: タイピング中に手を離さず、親指ですぐにカーソルを動かせます。電源は単4電池なので、リチウムバッテリーの心配がありません
- 👎 惜しい点: 完成品ではありません。コントローラー・スイッチ・キーキャップ・トラックボールを別々に購入して取り付け、ファームウェアも自分で書き込む必要があります。現在は売り切れです
- 🎯 おすすめの人: 分割キーボードとトラックボールに興味があり、部品を選んで組み立てる過程まで楽しめる方
📸 製品ギャラリー

ホワイトバージョン。右下の親指の位置にトラックボールがあり、矢印キーの位置にだけオレンジのキーを入れています(制作者による3DCGレンダリング画像)

手を自然に置くと、親指がそのままトラックボールに届く配置です

ブラックバージョン。トラックボールと矢印キーはピンク系のカラーです

底面は透明アクリルなので、基板がそのまま見えます。中央にトラックボールセンサー、下側に電池ボックスがあります

フチに取り付けるバンパーは色を替えられます。3Dプリント用のSTLファイルが公開されています
🔍 なぜ気になったのか
キーボードとマウスを行き来しなくていい
タイピング中にマウスへ手を移す動作は短いものの、1日に何百回も繰り返されます。ZENは右手の親指が届く位置にトラックボールを入れました。文章を書いている途中、手をそのままにして親指でカーソルを動かし、またタイピングに戻れます。分割キーボードを使っていて、マウスの置き場所が中途半端だった方には特にうれしい構造です。
なじみのあるキー配列
分割キーボードは配列が違いすぎて、慣れる前に挫折してしまうことが多いです。制作者は、多くの人になじみのあるキー配列を保ち、トラックボールの位置も大きく変えないことを目指したそうです。Enter・削除・矢印キー・スペースを指が自然に届く位置に置いて、初めて使う人でも迷いにくくしているところが良さそうです。
充電の代わりに単4電池
ワイヤレスの自作キーボードは、ほとんどがリチウムポリマーバッテリーを使っています。保管や交換がなにげなく気になる部品です。ZENはコンビニで売っている単4電池を使います。制作者の説明では、使用環境によって異なるものの、数か月は使えるように設計したそうです。充電ケーブルを持ち歩かなくていいのは、日常の道具としてはむしろ楽そうです。
裏返しても美しいスケルトン底面
底面が透明アクリルなので、基板や部品がすべて見えます。フチのバンパーは色を替えて取り付けられ、STLファイルも公開されているため、3Dプリンターがあれば自分で出力して使えます。機能だけでなく、見ていて楽しいところまで気を配っているのが伝わってきます。
はんだ付けなしで始める自作キーボード
基板・トラックボールセンサー・ケース・電池ボックスは、組み立てとはんだ付けが済んだ状態で届きます。ユーザーはコントローラーにファームウェアを書き込み、部品を差し込み、ペアリングするだけです。ファームウェアはZMKなので、ブラウザのキーマップエディタですべてのキーとレイヤーを変更でき、デバイスを最大4台まで登録してキー1つで切り替えられるそうです。
🤔 悩ましいところ
完成品ではなくキットです
¥30,000で届くのは本体だけです。ワイヤレスコントローラー2個、ピンヘッダー4個、キースイッチ50個、キーキャップ50個、19mmトラックボール、単4電池を別途用意する必要があります。部品代まで足すと総額はかなり上がります。コントローラーにファームウェアを自分で書き込まなければならないので、自作キーボードが初めてなら参入のハードルもあります。
現在は売り切れで、海外からは買いにくい
BOOTHのページ上では、ホワイト・ブラックともに在庫がなく、1人1個の制限があります。出品者発送方式のため、日本国内への配送が基本です。韓国から買うには、海外配送に対応しているか確認するか、転送サービスを使う必要があるかもしれません。
個人制作の少量販売なので、保証は限定的です
制作者自身が明かしているとおり、個人が少量で販売している製品です。ファームウェアの問題は可能な範囲で対応するものの、ハードウェアの修理は難しい場合があり、長期保証を前提としていないとのことです。3Dプリントのケースなので、積層痕のような個体差もあるかもしれません。
写真にはレンダリング画像が混ざっています
販売ページの写真の一部は、3DCGで作った完成イメージです。実際の色味や表面の質感は、少し違うかもしれません。
📋 製品の特徴(主観評価)
- デザイン: ⭐⭐⭐⭐⭐
- 携帯性: ⭐⭐⭐⭐☆ (片側100×144mm、厚さ10mm)
- 実用性: ⭐⭐⭐⭐☆ (トラックボール一体型、使用レビューの確認が必要)
- 入手しやすさ: ⭐⭐☆☆☆ (売り切れ、日本のBOOTHで販売)
🛒 購入前のチェックポイント
✅ こんな方におすすめ
- 分割キーボードを使っていて、マウスの置き場所がいつも中途半端だった方
- 部品を選んで組み立て、キーマップをいじる過程が楽しめる方
- 充電式バッテリーより電池のほうが楽な方
- 端正でミニマルなデスクセットアップが好きな方
❌ こんな方にはおすすめしません
- 箱から出してすぐ使える完成品がほしい方
- ファームウェアの書き込みやペアリングの設定が負担に感じる方
- しっかりしたアフターサービスと保証が大事な方
🎯 最終結論
ZENは、分割キーボードとトラックボールを組み合わせながらも、見た目を複雑にしていません。親指の位置のトラックボール、単4電池、透明な底面と交換できるバンパーまで、毎日使う道具を少しでも快適で楽しいものにしようという工夫が見えます。
ただし完成品ではなくキットで、部品を別途用意し、ファームウェアも自分で書き込む必要があります。現在は売り切れで日本での販売のため、入手も簡単ではありません。
自作キーボードを一度はやってみたかったものの、はんだ付けが負担だったなら、再販の知らせを待ってみる価値のあるキットです。逆に、すぐ使えるワイヤレスのトラックボールキーボードを探しているなら、ほかの完成品を見るのが正解です。
出典: e24. BOOTH製品ページ · ZEN公式紹介ページ




